御曹司社長は恋に臆病な契約妻を極上の愛で囲う
カチカチとマウスをクリックする音が耳に響く。うっすらと瞼を押し開けた小夜莉は、飛び込んできた蛍光灯の眩しさに一旦目を細めた後、はっと慌てて身体を起こした。ぐるりと辺りを見渡すと、ここは見慣れた研究室の奥にあるソファの上だ。
「どうしてここに……?」
そう小さくつぶやきながら、ズキンと痛む腕に手を当てる。
(私……気を失ってたの?)
真っ暗な研究室で誰かに腕を掴まれて、あまりの恐怖に必死でもがいたのは覚えている。でもそれ以降の記憶がぷっつりと途切れているのだ。
(誰かが私を運んでくれたってこと?)
明かりのついた室内はいくらか小夜莉を安心させる。
するとソファから足を下ろして立ち上がろうとした小夜莉は、自分の上に掛けられていたスーツのジャケットに気がついた。手で触れると、明らかに仕立ての良い濃紺のジャケットからは、ホワイトムスクの香りが漂ってくる。上下白の研究着姿が常の研究所内で、こんな上質なスーツを着ている人は見たことがない。
「一体誰が……?」
小夜莉が小さく声を出した時、隣の部屋から突然誰かが顔を覗かせた。
「気がついたか?」
そう言いながら姿を現した背の高い男性の姿に、小夜莉は「きゃあ」と叫び声を上げると、慌ててソファの裏に回り込んで身を隠した。
「驚かせてすまない。決して怪しいものではない。俺の名前は御子柴雅人だ」
恐怖に震える小夜莉を安心させるためか、男性は落ち着いた声でそう名乗ると、一旦口を閉ざす。
「どうしてここに……?」
そう小さくつぶやきながら、ズキンと痛む腕に手を当てる。
(私……気を失ってたの?)
真っ暗な研究室で誰かに腕を掴まれて、あまりの恐怖に必死でもがいたのは覚えている。でもそれ以降の記憶がぷっつりと途切れているのだ。
(誰かが私を運んでくれたってこと?)
明かりのついた室内はいくらか小夜莉を安心させる。
するとソファから足を下ろして立ち上がろうとした小夜莉は、自分の上に掛けられていたスーツのジャケットに気がついた。手で触れると、明らかに仕立ての良い濃紺のジャケットからは、ホワイトムスクの香りが漂ってくる。上下白の研究着姿が常の研究所内で、こんな上質なスーツを着ている人は見たことがない。
「一体誰が……?」
小夜莉が小さく声を出した時、隣の部屋から突然誰かが顔を覗かせた。
「気がついたか?」
そう言いながら姿を現した背の高い男性の姿に、小夜莉は「きゃあ」と叫び声を上げると、慌ててソファの裏に回り込んで身を隠した。
「驚かせてすまない。決して怪しいものではない。俺の名前は御子柴雅人だ」
恐怖に震える小夜莉を安心させるためか、男性は落ち着いた声でそう名乗ると、一旦口を閉ざす。