御曹司社長は恋に臆病な契約妻を極上の愛で囲う
引っ越ししてきた初日にあんな事があったからか、雅人は必要以上に小夜莉に距離を取っている。きっとそれは、まだ同居を開始して間もない小夜莉への雅人の優しさだと思うのだが、でもその距離感を小夜莉はもどかしく感じだしているのだ。
(社長の目的達成のためにも、私にも手伝えることがあるだろうし……)
小夜莉は朝の支度を終えると、鏡に映った自分の顔を覗き込む。雅人は研究所に裏切り者がいると言っていた。それを炙り出すことが自分の目的だと。だからこそ研究所で働く小夜莉と結婚したのだ。でもこんな生活を続けていたら、小夜莉は雅人に協力したくてもできないだろう。
小夜莉は顔を上げると棚に置かれたデジタル時計を見つめる。
そろそろインターフォンが鳴り、司が迎えに来る頃だろう。今日こそは何か雅人と会話をしたい。
考えを巡らせていた小夜莉はふと顔を上げる。
(そうだ。この生活じゃ、私の恐怖症克服の練習にならないって言ってみたらどう?)
小夜莉は自分の心に言い聞かせるようにうなずく。
その時ちょうどインターフォンが明るい音を響かせた。
「はい。少々お待ちください」
小夜莉はリビングのモニターに向かって応答したあと、ドキドキとしながら雅人の部屋の方へ顔を覗かせる。
「社長、岡部さんが到着されました」
小夜莉の声が廊下に響き、しばらくして濃紺のスーツに身を包んだ雅人が現れる。
「おはよう、小夜莉」
艶のある黒髪が揺れて、小夜莉はドキッとして顔を俯かせた。
(社長の目的達成のためにも、私にも手伝えることがあるだろうし……)
小夜莉は朝の支度を終えると、鏡に映った自分の顔を覗き込む。雅人は研究所に裏切り者がいると言っていた。それを炙り出すことが自分の目的だと。だからこそ研究所で働く小夜莉と結婚したのだ。でもこんな生活を続けていたら、小夜莉は雅人に協力したくてもできないだろう。
小夜莉は顔を上げると棚に置かれたデジタル時計を見つめる。
そろそろインターフォンが鳴り、司が迎えに来る頃だろう。今日こそは何か雅人と会話をしたい。
考えを巡らせていた小夜莉はふと顔を上げる。
(そうだ。この生活じゃ、私の恐怖症克服の練習にならないって言ってみたらどう?)
小夜莉は自分の心に言い聞かせるようにうなずく。
その時ちょうどインターフォンが明るい音を響かせた。
「はい。少々お待ちください」
小夜莉はリビングのモニターに向かって応答したあと、ドキドキとしながら雅人の部屋の方へ顔を覗かせる。
「社長、岡部さんが到着されました」
小夜莉の声が廊下に響き、しばらくして濃紺のスーツに身を包んだ雅人が現れる。
「おはよう、小夜莉」
艶のある黒髪が揺れて、小夜莉はドキッとして顔を俯かせた。