御曹司社長は恋に臆病な契約妻を極上の愛で囲う
御子柴グループは、金融・貿易・不動産・医療等々、様々な分野でトップシェアを誇る国内最大級の企業グループだ。そんなグループの中で、御子柴化学は主流派と呼ばれる企業からは一歩劣っていた。
(次期トップとも言われるひとが、なぜ御子柴化学に……?)
戸惑いながら立ち上がった小夜莉の膝から、ずるりとジャケットが落ちる。
小夜莉は慌ててそれを持ち上げると、ソファの後ろから、そろそろと雅人の前に出た。
「あ、あの……これ、ありがとうございました」
小夜莉がジャケットを差し出すと、雅人はくすりと肩を揺らしながらジャケットを受け取る。
「内々に調べたいことがあって、今日はここに来ていたんだが、驚かせてしまって悪かった。体調はもう大丈夫か?」
眉を下げた顔を覗き込ませる雅人に、小夜莉は「だ、大丈夫です」と小さく答えると、慌てて一歩後ろへ下がる。
その拍子に、小夜莉はソファに足をぶつけてバランスを崩してしまった。
「きゃ……」
小さな悲鳴と共に身体が大きく傾く。
「危ない!」
すると雅人が小さく声を出し、小夜莉の腕をぐっと掴んだ。
でもその瞬間、小夜莉は全身を硬直させると、思いきり雅人の胸元を突き飛ばしていた。
「いやっ! 離してっ!」
恐怖におびえた様な声が響き渡り、雅人ははっとしたように手を離す。
小夜莉は真っ青になった顔を俯かせると、壁際に走り寄り、掴まれた腕を反対の手でキュッと握り締めた。シーンと静まり返った室内に、驚いたような雅人の顔が見える。
(次期トップとも言われるひとが、なぜ御子柴化学に……?)
戸惑いながら立ち上がった小夜莉の膝から、ずるりとジャケットが落ちる。
小夜莉は慌ててそれを持ち上げると、ソファの後ろから、そろそろと雅人の前に出た。
「あ、あの……これ、ありがとうございました」
小夜莉がジャケットを差し出すと、雅人はくすりと肩を揺らしながらジャケットを受け取る。
「内々に調べたいことがあって、今日はここに来ていたんだが、驚かせてしまって悪かった。体調はもう大丈夫か?」
眉を下げた顔を覗き込ませる雅人に、小夜莉は「だ、大丈夫です」と小さく答えると、慌てて一歩後ろへ下がる。
その拍子に、小夜莉はソファに足をぶつけてバランスを崩してしまった。
「きゃ……」
小さな悲鳴と共に身体が大きく傾く。
「危ない!」
すると雅人が小さく声を出し、小夜莉の腕をぐっと掴んだ。
でもその瞬間、小夜莉は全身を硬直させると、思いきり雅人の胸元を突き飛ばしていた。
「いやっ! 離してっ!」
恐怖におびえた様な声が響き渡り、雅人ははっとしたように手を離す。
小夜莉は真っ青になった顔を俯かせると、壁際に走り寄り、掴まれた腕を反対の手でキュッと握り締めた。シーンと静まり返った室内に、驚いたような雅人の顔が見える。