御曹司社長は恋に臆病な契約妻を極上の愛で囲う
「そ、そうです。ありがとうございます……」
小夜莉はうつむき加減にそう言うと、そろそろと手を出してそれを受け取ろうとする。
すると雅人が一瞬ためらって、小夜莉の手帳型のスマートフォンケースについているストラップに指先で触れた。
「これも……君の物か?」
雅人が触れているのは、白い巻き貝がふたつ飾りつけられているストラップだ。
「そ、そうですけど」
小夜莉は不思議に思いながらも、サッとそれを受け取ると、大事そうにストラップを握り締めた。
このストラップは、小夜莉が就職で地元を離れる時に、母がお守りにと作ってくれたものだ。実家の近くの海で獲れたセキモリガイを使っている。
なぜそれを雅人が気にするのだろうと、小夜莉が小さく首を傾げた時、雅人の隣にいた男性が満面の笑みを覗き込ませた。
「ねぇ君、すっごい美人だよね。名前は?」
前のめりに話しかけてくる男性に、小夜莉はビクッとすると慌てて手に持っていた大きな黒縁のメガネをかける。
「第一研究室の研究員、神崎小夜莉です」
すると小夜莉の顔を覗き込んでいた男性が、ギョッとしたように後ろにのけ反った。
「神崎小夜莉って……まさか、あの能面女史⁉ 嘘だろ⁉」
“能面”という言葉に、小夜莉の眉がぴくりと動く。
すると雅人がそっと男性を制止するように手を出した。
小夜莉はうつむき加減にそう言うと、そろそろと手を出してそれを受け取ろうとする。
すると雅人が一瞬ためらって、小夜莉の手帳型のスマートフォンケースについているストラップに指先で触れた。
「これも……君の物か?」
雅人が触れているのは、白い巻き貝がふたつ飾りつけられているストラップだ。
「そ、そうですけど」
小夜莉は不思議に思いながらも、サッとそれを受け取ると、大事そうにストラップを握り締めた。
このストラップは、小夜莉が就職で地元を離れる時に、母がお守りにと作ってくれたものだ。実家の近くの海で獲れたセキモリガイを使っている。
なぜそれを雅人が気にするのだろうと、小夜莉が小さく首を傾げた時、雅人の隣にいた男性が満面の笑みを覗き込ませた。
「ねぇ君、すっごい美人だよね。名前は?」
前のめりに話しかけてくる男性に、小夜莉はビクッとすると慌てて手に持っていた大きな黒縁のメガネをかける。
「第一研究室の研究員、神崎小夜莉です」
すると小夜莉の顔を覗き込んでいた男性が、ギョッとしたように後ろにのけ反った。
「神崎小夜莉って……まさか、あの能面女史⁉ 嘘だろ⁉」
“能面”という言葉に、小夜莉の眉がぴくりと動く。
すると雅人がそっと男性を制止するように手を出した。