御曹司社長は恋に臆病な契約妻を極上の愛で囲う
「おつかれ」
「お先に失礼します」
定時が過ぎ、職員たちが帰っていく声が聞こえる。小夜莉は相変わらずデータ分析のため、パソコンに向かっていた。そっと顔を上げると、所長も仕事を終えたようで、立ち上がってロッカールームに向かう様子が見えた。研究室内は、ひとりふたりと人数が減っていき、最後は小夜莉ひとりきりになる。
検査機器の電源も落ちシーンと静まり返った室内で、カチカチとマウスを操作していた小夜莉は、だいぶ経ってからそっと顔を上げた。念のため廊下に顔を出して辺りを確認する。電気の消えた廊下は寒気がするほど静かで、ひとの気配は一切しない。
小夜莉は息を吞むように扉を閉じると、所長のデスクに向かった。そっとパソコンの電源ボタンを押す。こんなことをしたら許されないかも知れない。でも、もし本当に研究所内に裏切り者がいるのだとしたら、疑わしきは調べなければいけないと思った。
(これで何かわかるのであれば、雅人さんの役に立てる)
じりじりとパソコンが立ち上がるのを待つ。こういう時は、ほんの数秒が何十秒にも感じるほどだ。緊張でじんわりと額に汗が滲みだし、小夜莉は帽子とメガネを外した。
しばらくしてようやくパソコンが立ち上がり、いつものブルーの画面が開く。所長はログインIDやパスワードを保存しているようで、そのままクリックすると中に入れた。
「お先に失礼します」
定時が過ぎ、職員たちが帰っていく声が聞こえる。小夜莉は相変わらずデータ分析のため、パソコンに向かっていた。そっと顔を上げると、所長も仕事を終えたようで、立ち上がってロッカールームに向かう様子が見えた。研究室内は、ひとりふたりと人数が減っていき、最後は小夜莉ひとりきりになる。
検査機器の電源も落ちシーンと静まり返った室内で、カチカチとマウスを操作していた小夜莉は、だいぶ経ってからそっと顔を上げた。念のため廊下に顔を出して辺りを確認する。電気の消えた廊下は寒気がするほど静かで、ひとの気配は一切しない。
小夜莉は息を吞むように扉を閉じると、所長のデスクに向かった。そっとパソコンの電源ボタンを押す。こんなことをしたら許されないかも知れない。でも、もし本当に研究所内に裏切り者がいるのだとしたら、疑わしきは調べなければいけないと思った。
(これで何かわかるのであれば、雅人さんの役に立てる)
じりじりとパソコンが立ち上がるのを待つ。こういう時は、ほんの数秒が何十秒にも感じるほどだ。緊張でじんわりと額に汗が滲みだし、小夜莉は帽子とメガネを外した。
しばらくしてようやくパソコンが立ち上がり、いつものブルーの画面が開く。所長はログインIDやパスワードを保存しているようで、そのままクリックすると中に入れた。