御曹司社長は恋に臆病な契約妻を極上の愛で囲う
小夜莉はそろそろとマウスを操作して目的のフォルダを開く。そして先ほどは開けなかったファイルを選択した。パッと画面が切り替わり、成分の分析結果を示したファイルが表示される。その内容を見た途端、小夜莉ははっと息を止めた。
「これは……うちの製品の分析結果じゃない」
明らかにこれは化粧品に使われる成分の分析結果だ。そしてその成分はつい最近小夜莉が目にしたもの。
「NKRが独自で開発した成分……でもなぜ⁉」
小夜莉が思わず声を上げたとき、ガチャリと扉が開く音が聞こえる。小夜莉はビクッと肩を揺らすと、身構えるように入口を見つめた。
「君には失望したよ、神崎くん」
そう言いながら部屋に入ってきたのは所長だ。所長は作業着姿のまま、にやにやと頬を緩ませている。その姿に、小夜莉は狼狽えるように視線を動かした。
「所長……お帰りになったのではなかったのですか?」
「君の様子が気になってね。モニターで見ていたんだよ」
所長の声に小夜莉ははっと室内の監視カメラに目を向ける。所長は帰るフリをして、小夜莉の行動を監視していたというのか。
「私は君を高く評価していたんだよ。研究にしか興味がなく、手柄はすべて上司の私に譲ってくれたからねぇ」
「え?」
「だから君が工場で男性職員を突き飛ばした時も、うまくもみ消してあげたんだが……」
目を細める所長に、小夜莉はまだ入社したての頃の出来事を思い出す。
「これは……うちの製品の分析結果じゃない」
明らかにこれは化粧品に使われる成分の分析結果だ。そしてその成分はつい最近小夜莉が目にしたもの。
「NKRが独自で開発した成分……でもなぜ⁉」
小夜莉が思わず声を上げたとき、ガチャリと扉が開く音が聞こえる。小夜莉はビクッと肩を揺らすと、身構えるように入口を見つめた。
「君には失望したよ、神崎くん」
そう言いながら部屋に入ってきたのは所長だ。所長は作業着姿のまま、にやにやと頬を緩ませている。その姿に、小夜莉は狼狽えるように視線を動かした。
「所長……お帰りになったのではなかったのですか?」
「君の様子が気になってね。モニターで見ていたんだよ」
所長の声に小夜莉ははっと室内の監視カメラに目を向ける。所長は帰るフリをして、小夜莉の行動を監視していたというのか。
「私は君を高く評価していたんだよ。研究にしか興味がなく、手柄はすべて上司の私に譲ってくれたからねぇ」
「え?」
「だから君が工場で男性職員を突き飛ばした時も、うまくもみ消してあげたんだが……」
目を細める所長に、小夜莉はまだ入社したての頃の出来事を思い出す。