傷付いた心を癒すのは 〜男性が苦手な私の心を癒してくれたのはお隣さんでした〜
彼が座っていた椅子の上に黒い財布らしきものが落ちている。
おそらく、ポケットに入れていたものが落ちたのだろう。
そうとは気付かずにとんでもないものを忘れていった彼に、私は不安を覚えた。
(やっぱりちょっと抜けてるところがあるっていうか、なんというか……)
急ぎ届けてあげなければと思い、財布を持って彼の部屋へ向かう。
インターフォンを押したら、彼がどうしたの? と首を傾げて私を見た。
「お財布……椅子の上に落ちてて……」
「えっ、あ、本当だ! ごめん、気付かなくて。ポケットに入れてたつもりだったんだけど」
「いえ……」
慌てふためきながらポケットを手で押さえる彼に財布を渡す。
彼は財布を受け取ると、手で顔を覆って溜め息をついた。
「本当にごめん……。いつもこんなことばかりで……」
「いえ、私はちょっと抜けてる片瀬さんもいいと思いますよ」
仕事のときは”いつも完璧な片瀬さん”というイメージだし、実際にそれは変わらない。
名古屋から東京本店に移ってからも目まぐるしい営業成績を上げていると聞いている。
まだ入社して数ヶ月しか経っていないというのに、もう上期のMVPになるのではないかと噂されているほどである。
そういった理由もあり、片瀬さんは他部署からも注目されていて、見目も整い、性格も穏やかだという理由で、女性社員から引く手あまただった。
おそらく、ポケットに入れていたものが落ちたのだろう。
そうとは気付かずにとんでもないものを忘れていった彼に、私は不安を覚えた。
(やっぱりちょっと抜けてるところがあるっていうか、なんというか……)
急ぎ届けてあげなければと思い、財布を持って彼の部屋へ向かう。
インターフォンを押したら、彼がどうしたの? と首を傾げて私を見た。
「お財布……椅子の上に落ちてて……」
「えっ、あ、本当だ! ごめん、気付かなくて。ポケットに入れてたつもりだったんだけど」
「いえ……」
慌てふためきながらポケットを手で押さえる彼に財布を渡す。
彼は財布を受け取ると、手で顔を覆って溜め息をついた。
「本当にごめん……。いつもこんなことばかりで……」
「いえ、私はちょっと抜けてる片瀬さんもいいと思いますよ」
仕事のときは”いつも完璧な片瀬さん”というイメージだし、実際にそれは変わらない。
名古屋から東京本店に移ってからも目まぐるしい営業成績を上げていると聞いている。
まだ入社して数ヶ月しか経っていないというのに、もう上期のMVPになるのではないかと噂されているほどである。
そういった理由もあり、片瀬さんは他部署からも注目されていて、見目も整い、性格も穏やかだという理由で、女性社員から引く手あまただった。