傷付いた心を癒すのは 〜男性が苦手な私の心を癒してくれたのはお隣さんでした〜
05 気になるお隣さん(透視点)
 ※ ※ ※

 扉が閉まったとき、俺は柄にもなく玄関先でしゃがみ込んでしまった。
 気が抜けて、立てなくなったとでも言えばいいだろうか。

 自分の欠点を否定されなかったことに驚いてしまったからだ。

 俺の隣に住む水嶋さんは、同じSWカンパニーで働く他部署の後輩だ。そして、この春から隣人になった人だ。

 このマンションに引っ越してきて、初めて会ったときの水嶋さんは人見知りという言葉だけでは片付けられないほど、俺を見るなり怯えていた。
 声も震えていたし、体も震えていたように見える。言葉を交わすのも、同じ空間にいるのも嫌だと全身で嫌悪感を表す様は、威嚇するハリネズミのようでもあった。

(俺、そこまで嫌われるようなことしたか……?)

 確かに、廊下に荷物をたくさん積んではいたけれど。
 でもすぐにどかしたし、特に変なことも言わなかったはずだ。
 格好がラフすぎたのはあるかもしれないが、決して嫌悪感を与えるような格好でもなかった。

 特別、隣人と仲良くする必要はないが、かといって嫌われたままでいるのも今後のことを思うとやりづらい。
 エレベーターやエントランスといった共用部で顔を合わせることもあるだろうし、マイナスなイメージを持たれたままではよくないだろう。
 そう思い、粗品を持って彼女の部屋を訪れてみたが、彼女はやっぱり俺を見て怯えていた。
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