傷付いた心を癒すのは 〜男性が苦手な私の心を癒してくれたのはお隣さんでした〜
 隣で彼が補助してくれて、なんとか段ボールを降ろす。その上に残りの段ボールも積んでくれた。

 そんな私たちを見て、営業の人は目を丸くし、井上さんは恐ろしい顔で私を睨みつけている。
 きっと男性とここまで距離が近いことに、それぞれ思うことがあるのだろう。
 私はこれ以上、いらぬ憶測を生むのも嫌でパッと彼から離れた……のだけれど。

「……なんだ、噂とは全然違いますね。みなさん、水嶋さんと近付こうとしないから、俺、てっきり怖い人なのかと思って……」

 そう言って、明らかに私たちよりも後輩だと思われる営業さんが近付いてくる。
 その瞬間、ビクッと肩を跳ね上げてしまって、私はまただ……と下唇を噛んで俯いた。

「ほら、佐藤(さとう)。こんなところで油を売ってないで、早く行くこと。約束の時間に間に合わなくなるよ」
「あっ、そうでした。井上さん、早く行こう」

 彼が新人の営業さんから庇うように私の前に立ってくれてホッと胸を撫で下ろす。
 佐藤さんと呼ばれた営業さんは井上さんと共に車に乗り込むと、すぐに車を走らせて地下駐車場から出ていった。

「……さっきの、大丈夫だった?」
「すみません。ありがとうございます……」
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