傷付いた心を癒すのは 〜男性が苦手な私の心を癒してくれたのはお隣さんでした〜
「私にだって友人はいるし、夜から予定を詰めることもあるよ」
「ふーん、そうですか。あっ、じゃあそろそろ私はこのへんで」
「えっ?」
「みんな、飲み会会場に移動しちゃったんですもん。私も行かないと。それじゃあ、お先に失礼します!」
「ちょっと待っ……」

 いつの間に帰る準備をしていたのか……。
 いや、最初から人が出払ったら私に丸投げするつもりで荷物をまとめていたのだろう。
 彼女は私が呼び止める間もなく、オフィスを出ていってしまった。

(もう! またとばっちり受けてばっかり……!)

 昔の井上さんは頑張り屋さんで、一日でも私に追いつこうと頑張っていたのに。努力家で真面目なところもあったはずなのに、今では見る影もない。

 本音を言えば今すぐにでも投げ出して帰ってしまいたかったけれど、後輩の出来の悪さは上司の私の評価にも直結する。
 仕事を放り出すわけにもいかず諦めて仕事をしていると、もぬけの殻状態になった営業部の島に誰かがやってきた。

「……あれ、水嶋さん、まだいたんですか?」

 聞こえるように少し声を張り上げた片瀬さんが心配そうな顔で私を見つめる。こくこくと頷けば、なぜか彼が営業部の島を越えて私がいる企画部の島までやってきた。

「今日って飲み会じゃ……といっても、水嶋さんは参加しないんでしたっけ?」
「えぇ、まぁ……」
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