傷付いた心を癒すのは 〜男性が苦手な私の心を癒してくれたのはお隣さんでした〜
「……ふふっ」
「……あ、もしかしていま、そちらも外に出てます……?」

 またしても隣から声が聞こえてきて、ハッと口元を手で押さえる。だけど既に遅く、片瀬さんは仕切り板越しに顔を覗かせていた。

「こんばんは」
「こ、こんばんは……」
「そちらも洗濯物を取り込んでいたんですか?」
「はい。片瀬さんも……ですか?」
「そう……だったんですけど、取り込んでる途中で洗濯物を落としてしまって……」

 彼の手には、下に落ちたらしい洗濯物が握られている。
 昨日、自分も強風で洗濯物を落としてしまい、洗い直したことを思い出した。

「洗い直すの、面倒ですよね。干す物が増えますし」
「本当に。朝早く起きて干してるから、なおさら悔しくなります」

 眼鏡の下の目が僅かに伏せられて、本気で悔しがっていることが窺い知れる。
 だけどすぐに柔和な笑みを浮かべると、「そういえば……」と昨日オススメした定食屋さんに足を運んだことを教えてくれた。
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