傷付いた心を癒すのは 〜男性が苦手な私の心を癒してくれたのはお隣さんでした〜
「これ以上は近所迷惑になりますのでお引き取りを。……皆様すみません。もう終わりますので」

 彼がぺこりと頭を下げたことで、様子を見に来た住人たちもひとまずは納得したのか部屋に戻っていく。
 剛人も衆人の目がある中で騒ぎ立てるのは良くないと判断したのか、チッと舌を打つと私から離れた。

「……また来る」
「来ても変わりませんよ。ね、葉月。行こう」

 片瀬さんに促されるまま、私は自分の部屋ではなく彼の部屋に入っていく。
 最後に見た剛人の顔はどこか悔しそうに見えた。

「大丈夫でしたか? 酷いことはされていませんか?」
「……はい、大丈夫です」
「そうですか……。よかった……っていうか俺、お酒臭いですよね。すみません、すぐに離れます」

 彼がバタバタと靴を脱ぎ、その後で私を手招く。
 今日の飲み会で散々飲まされて体も辛いだろうに、彼は律儀に私をもてなしてくれた。

「どうぞ。お茶しかないですが、少しでもこれを飲んで落ち着いてください……」
「ありがとうございます、いただきます」
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