傷付いた心を癒すのは 〜男性が苦手な私の心を癒してくれたのはお隣さんでした〜
「ね、水嶋さん。今週末の夜、前に言ってたことしない?」
「前に言ってたこと……?」
「飲もうって話」
「そういえば……ありましたね」

 すっかり忘れていたけれど、彼から飲もうと誘われていたことを思い出す。
 私は二つ返事で了承すると、料理はこちらで用意すると伝えた。

「いいの?」
「もちろんです。なにかリクエストがあれば聞きますよ」
「うーん。何がいいかな。考えておくよ」

 そんな話をしながら電車に乗り、最寄り駅で降りて一緒に地下通路を歩いていく。
 周りに関係を隠しておくべかか否か悩んだけれど、彼が自然体でいればいいんじゃない? と言ってくれたおかげで、私は無理に隠さないで過ごすことにした。

「それじゃあ俺はここで」

 彼とフロアに入る前で別れ、お互いに軽く手を触り合う。
 その様子を見ていた社員たちからの視線が突き刺さったけれど、最近はいつものことだ。気にしないことにして椅子に座った。
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