傷付いた心を癒すのは 〜男性が苦手な私の心を癒してくれたのはお隣さんでした〜
「なんだ、水嶋。片瀬と随分仲がいいな」

 あまりプライベートなことに首を突っ込まないリーダーからそんなことを言われて、曖昧な笑みを零す。
 それだけでいろいろと察したのか、リーダーが笑った。

「いいんじゃないか。二人とも仕事で息が合うようだし。この前の総合病院の件、かなり大口の契約を引っ張ってきたらしいじゃないか。それと、井上がこの前泣きついてたセレクトショップの案件も、いい提案書だった。実はその件で、担当を水嶋に変えようと思っていてな。また、片瀬とタッグを組むことになるが、構わないか?」
「はい……! 私でよければ」
「よかった。実は片瀬から井上の件で仕事にならないとクレームが入っていてな……」

 そんな話をしていたら、井上さんがデスクにやってくる。
 リーダーも私も話をやめて仕事に戻っていったけれど、井上さんの表情は明るくなかった。

「井上、顔色が悪いぞ。どうした?」
「いえ、なんでもありません」

 そう言って、彼女が椅子に座る。
 そのとき彼女からぼそりと「リーダーは知ってるくせに」と、独り言が聞こえてきた。
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