傷付いた心を癒すのは 〜男性が苦手な私の心を癒してくれたのはお隣さんでした〜
だけど彼女がミスするたびに私が尻拭いをし、結果としてそれが私の評価になってしまうのが許せなかったのだろう。
悔しさと嫉妬から、彼女はそのうち私を目の敵にするようになった。それが事の顛末だ。
「あなたが私のことをいろいろと陰で悪く言っていることも知ってる」
「なっ……」
「でもひとつ訂正させてもらうと、男性が苦手なのは本当だよ。昔、ちょっといろいろあってトラウマになっちゃったの……。だけど、片瀬さんとはプライベートでも少し交流があって……」
彼の、根気よく私に向き合ってくれる姿勢が私の傷を癒してくれた。いまだに男性が怖いことには変わりないけれど、彼だけは受け入れられるようになった。
「だから、彼とは一緒にいられるの」
はっきりと言い切った瞬間、廊下から足音が聞こえてくる。
その足音がピタリと止まったかと思ったら、これから会社を出ようとする片瀬さんと目が合った。
「どうしたの? こんなところで……」
「あっ……」
井上さんの瞳が揺れる。
彼女はふらふらと彼に近付くと、縋るようにネクタイの端を握った。
「片瀬さん、本当に先輩と付き合ってるんですか……?」
「……本当だよ。だからこの前みたいに、俺を仕事中に関係ないことで引き留めたり、触られたりするのは困るかな」
悔しさと嫉妬から、彼女はそのうち私を目の敵にするようになった。それが事の顛末だ。
「あなたが私のことをいろいろと陰で悪く言っていることも知ってる」
「なっ……」
「でもひとつ訂正させてもらうと、男性が苦手なのは本当だよ。昔、ちょっといろいろあってトラウマになっちゃったの……。だけど、片瀬さんとはプライベートでも少し交流があって……」
彼の、根気よく私に向き合ってくれる姿勢が私の傷を癒してくれた。いまだに男性が怖いことには変わりないけれど、彼だけは受け入れられるようになった。
「だから、彼とは一緒にいられるの」
はっきりと言い切った瞬間、廊下から足音が聞こえてくる。
その足音がピタリと止まったかと思ったら、これから会社を出ようとする片瀬さんと目が合った。
「どうしたの? こんなところで……」
「あっ……」
井上さんの瞳が揺れる。
彼女はふらふらと彼に近付くと、縋るようにネクタイの端を握った。
「片瀬さん、本当に先輩と付き合ってるんですか……?」
「……本当だよ。だからこの前みたいに、俺を仕事中に関係ないことで引き留めたり、触られたりするのは困るかな」