傷付いた心を癒すのは 〜男性が苦手な私の心を癒してくれたのはお隣さんでした〜
「葉月〜! 久しぶり!」
「もう、お兄ちゃん。綾瀬(あやせ)さんを置いてきぼりにしないの」
「……こんにちは、葉月さん。お久しぶりです」
「あっ、お久しぶりです、綾瀬さん。……本当にすみません、いつも兄が……」
「いえいえ、いつも仲がいいから微笑ましい気持ちで見ていますよ。ところで、後ろの方は……?」

 兄の彼女である綾瀬さんが後ろにいる彼に視線を向ける。
 私は彼を二人に紹介することにした。

「彼は片瀬透さんです。現在、お付き合いをしていまして……」
「片瀬です。今日はお招きいただき、ありがとうございます。お二人に会えて嬉しいです」

 にっこりと完璧な笑顔を浮かべる彼は、オンのときの顔だ。

 二人は彼の姿をしばらく眺めたあと、わっと私に詰め寄った。

「葉月〜! やっぱり付き合ってたんだね!? もう、早く言ってくれたらいいのに……。ずっと気になってやきもきしてたんだ」
「葉月ちゃん……! 紹介してくれて嬉しいわ。こうして紹介してくれるってことは、二人はもう結婚とか……」

 綾瀬さんが興奮して私の手を握り、期待を込めた目を私に向ける。
 それはまだ早いですよ……! と伝えたけれど、なぜか彼が食い気味に言葉を被せてきた。
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