傷付いた心を癒すのは 〜男性が苦手な私の心を癒してくれたのはお隣さんでした〜
「あ、もしかして隣の方ですか……? すみません、廊下を塞いでしまって。すぐに段ボールをどかしますね」
突然、隣の部屋からひょっこりと顔を出し、明らかに作業員ではない格好の男性から声をかけられて、びくっと肩を跳ね上げる。
もっさりと重ための前髪に黒縁眼鏡が印象的な彼は、私を見るなりぺこりと頭を下げると、業者の人たちと一緒になって段ボールを持ち上げ、人がひとり通れるだけのスペースを作ってくれた。
「……すみません。お待たせしました」
「いえ……」
私もぺこりとお辞儀をし、そそくさと狭いスペースを通り抜ける。
私は逃げるように部屋の扉を開けると、ばたんと力強く扉を閉めた。
ふーっと息を吐き、扉に背中をくっつけて震えが止まらない両手を見つめる。
「あ、はは……。手が震えてる……」
心なしか声まで震えていることに気付いて、私はハァ……と溜め息を零した。
――これは、いつまで経っても治らない、私にかけられた呪いだ。
震えを誤魔化すように靴を脱ぎ捨て、キッチンの蛇口をひねる。
私はコップに冷たい水を注いで一気に飲み干すと、お腹の底からせり上がってくる嫌悪感を吐き出すように息を吐いた。
突然、隣の部屋からひょっこりと顔を出し、明らかに作業員ではない格好の男性から声をかけられて、びくっと肩を跳ね上げる。
もっさりと重ための前髪に黒縁眼鏡が印象的な彼は、私を見るなりぺこりと頭を下げると、業者の人たちと一緒になって段ボールを持ち上げ、人がひとり通れるだけのスペースを作ってくれた。
「……すみません。お待たせしました」
「いえ……」
私もぺこりとお辞儀をし、そそくさと狭いスペースを通り抜ける。
私は逃げるように部屋の扉を開けると、ばたんと力強く扉を閉めた。
ふーっと息を吐き、扉に背中をくっつけて震えが止まらない両手を見つめる。
「あ、はは……。手が震えてる……」
心なしか声まで震えていることに気付いて、私はハァ……と溜め息を零した。
――これは、いつまで経っても治らない、私にかけられた呪いだ。
震えを誤魔化すように靴を脱ぎ捨て、キッチンの蛇口をひねる。
私はコップに冷たい水を注いで一気に飲み干すと、お腹の底からせり上がってくる嫌悪感を吐き出すように息を吐いた。