傷付いた心を癒すのは 〜男性が苦手な私の心を癒してくれたのはお隣さんでした〜
 それからは外にでるときのみコンタクトにし、前髪も頑張って上げているらしい。本人としてはいまだに額を見せるのは抵抗感があるらしく、家に帰るとすぐ髪を崩しているとのことだった。

「このギャップのおかげで、休みの日に会社の人と会っても気付かれないんですよね。……あ、でも、水嶋さんにはバレてるか」

 いたずらっ子のように笑う彼に、またしてもドキリとしたのは内緒だ。
 男性に対して、こんな感情を持ったことは今までなかったのに……。

「水嶋さんはいつもきっちりされてますよね。初めて会ったときも」
「引っ越してきたときのことですか?」
「うん。いつもと変わらないって感じ」
「そりゃあ、もういい歳ですし、適当な格好では歩けないですよ……」
「水嶋さんのラフな格好、見てみたいかも。ほら、俺だけ見せるのはフェアじゃないでしょ?」

 ゆるりと目元が細くなって、風で彼の前髪が持ち上がる。
 美しい瞳が露わになって、前髪で隠すのは勿体ないなと思ってしまった。
 少し前までは剛人に似ているからという理由で、あまりよく思ってなかったのに……。

「……では明日も早いですし、今日はこの辺で」
「はい」
「では、また」
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