傷付いた心を癒すのは 〜男性が苦手な私の心を癒してくれたのはお隣さんでした〜
03 一難去ってまた一難な夜
 週が明けて月曜日。
 いつものようにエレベーターを待っていると、片瀬さんに肩を叩かれた。

「おはよう、水嶋さん」
「おはようございます……。今日もゆっくりですね」
「うん。大きな仕事がひとつ片付いたから、朝に余裕ができて」

 上からエレベーターがやってきて、扉がゆっくりと開く。
 運よく誰も乗っていないようで、私は片瀬さんと共にエレベーターに乗り込んだ。

「そういえばカレーありがとう。すごく美味しかったです」
「よかった……。お口に合うか不安だったので……」
「辛さもちょうどよかったよ。……っていうのを早く伝えたかったんだけど、週末出かけてたからベランダで話せなくて」

 なるほど。この二日間、片瀬さん来るかなぁ……と思ってベランダで待っていたのに来なかったのは、彼自身が不在だったかららしい。
 久しぶりに同窓会へ行っていたらしく、帰郷していたとのことだった。

「あと、スプレーも返しそびれちゃって……」

 本当にすみません、とピンク色のスプレーが彼の鞄から出てくる。それと同時に小さな袋も出てきた。

「あとこれ、お土産。俺の地元、名古屋なんだ」

 袋の中には、小倉トーストを模したクッキーのようなものが入っている。
 パッと顔を上げたら、彼と目が合った。
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