傷付いた心を癒すのは 〜男性が苦手な私の心を癒してくれたのはお隣さんでした〜
『俺、葉月のことがすごく心配なんだ。そろそろ結婚する予定だし、なにかあってもすぐには飛んでいけないから……』

 母は、私が成人したときに亡くなっている。だから、この世で家族と呼べる存在は兄だけだ。

 そんな兄にも彼女がいて、近々結婚する予定になっている。だから、なおのことひとりでいる私が心配なのだろう。
 兄からは、顔を合わせるたびにいい人がいないのかと尋ねられていた。

「いい人どころか、恋すらできないのに……」

 そうぽつりと呟いて、買い物袋を放置していたことに気付く。

 アイスや生鮮食品を買っていたことを思い出した私は、慌てて冷蔵庫に食べ物をしまった。

「アイス、溶けちゃったかも……」

 カップを持ったときの柔らかさを思い出して、また溜め息をつきそうになる。
 こうなったらもう食べちゃおうかな……と、再び冷凍庫の扉を開いたところでピンポンとインターフォンが鳴った。

「はーい!」

 つい勢いで返事をして、ドアノブに手をかける。
 確認もせずに扉を開けると、先ほど顔を合わせた男性が立っていた。
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