傷付いた心を癒すのは 〜男性が苦手な私の心を癒してくれたのはお隣さんでした〜
「ありがとうございます。終業後だというのにすみません」
「いえ、倉庫は二十四時間稼働してますので問題ないですよ。それよりも後ろにいる方は……?」
「あっ……」

 振り返れば片瀬さんが立っている。
 彼は私の隣に立つと、ペコリと頭を下げた。

「この度は、お手間を掛けてしまって申し訳ございません」
「いえいえ、大丈夫ですよ。よくあることですし」
「よくあっちゃ、いけないんですけどね……」
「あはは。まぁ、今回は倉庫にあったので。台車はまた後日お返しいただければ」
「わかりました」
「では、お疲れ様です」

 嫌な顔をせずに対応してくれた社員に感謝し、女性から受け取った台車を押そうとする。
 だけど、当たり前のように彼に台車を奪われてしまった。

「私が押しますよ……!」
「重いから俺が押すよ」
「でも……」

 今日一日、車で何時間も移動したというのに疲れを滲ませることなく台車を押す彼の後をついていく。
 エントランスに社用車を停めていたようで、彼はテキパキと荷物をトランクルームに詰めると、助手席の扉を開けた。

「どうぞ」
「ありがとうございます」

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