傷付いた心を癒すのは 〜男性が苦手な私の心を癒してくれたのはお隣さんでした〜
長くSWカンパニーで働いているけれど、社用車に乗るのは初めてだ。
というより、男性の営業さんと同じ空間にいることが耐えきれなくて、何度もそういう場面がくるたびに断っていた。
だから基本的に集合は現地。解散も現地。
どうせ方向は一緒なのだから乗っていけば、と言われても私は頑なに首を縦に振らなかった。
(片瀬さんとなら、大丈夫だな……)
狭い空間で密室状態だというのに息が詰まらないし、指先の震えもない。
車が走り出したらもう逃げ場はないというのに、不思議と怖くなかった。
「シートベルトしめた?」
「はい、大丈夫です」
「行き先は総合病院でいいんですよね?」
「はい。私も直接、先方に謝りたいので」
「わかった」
ゆっくりと車が動き出して、先ほどタクシーで通った道を走っていく。
私は社用携帯を取り出すと、いまから病院へ向かうことを先方に告げた。
「……はい、はい。渋滞に巻き込まれなければ九時頃に。遅くなって、申し訳ございません。……はい、失礼します」
電話口で怒声を浴びながらの電話は心臓に堪える。
ふーっと息を吐き出していると、お疲れ様、と横から声が降ってきた。
というより、男性の営業さんと同じ空間にいることが耐えきれなくて、何度もそういう場面がくるたびに断っていた。
だから基本的に集合は現地。解散も現地。
どうせ方向は一緒なのだから乗っていけば、と言われても私は頑なに首を縦に振らなかった。
(片瀬さんとなら、大丈夫だな……)
狭い空間で密室状態だというのに息が詰まらないし、指先の震えもない。
車が走り出したらもう逃げ場はないというのに、不思議と怖くなかった。
「シートベルトしめた?」
「はい、大丈夫です」
「行き先は総合病院でいいんですよね?」
「はい。私も直接、先方に謝りたいので」
「わかった」
ゆっくりと車が動き出して、先ほどタクシーで通った道を走っていく。
私は社用携帯を取り出すと、いまから病院へ向かうことを先方に告げた。
「……はい、はい。渋滞に巻き込まれなければ九時頃に。遅くなって、申し訳ございません。……はい、失礼します」
電話口で怒声を浴びながらの電話は心臓に堪える。
ふーっと息を吐き出していると、お疲れ様、と横から声が降ってきた。