傷付いた心を癒すのは 〜男性が苦手な私の心を癒してくれたのはお隣さんでした〜
「どうして剛人が私をいじめるようになったのかはわかりません。純粋に兄を取られるのが嫌だったのかもしれませんが、もしかしたら私が何かしてしまったのかも……」

 ただ、あまりにも昔のことすぎて、虐められるきっかけがあったのだとしてもそれを思い出せない。
 仮に私が原因だとしても、剛人から植え付けられたトラウマは到底許せるようなものではなかった。

「話してくれてありがとうございます。俺には何もできないですけど……。ただ、少なくとも水嶋さんのことを故意に傷付けるようなことは言いません」
「……知っていますよ。片瀬さんが、とてもいい人だってことは」

 こうして私の身を案じて、部屋に上げてくれたのだ。そして、親身に話まで聞いてくれた。
 いままで私の態度で『怖い』『近付きにくい』と言って離れていく人の方が多かったから、そういった意味でも片瀬さんは素の私に向き合ってくれる貴重な存在だった。

「……すみません、なんかしんみりしちゃって……」
「いえいえ。ところで、今晩どうしますか? 明日もありますし、水嶋さんさえ気にならなければ俺のベッドを使っていただいても構わないのですが……。さすがに嫌ですよね」
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