道しるべみたいな恋だった
それでも、彼は知っていた。

私が誰よりも校則違反をしたくないこと、真面目すぎること。

ずっと忘れられない彼の笑顔がある。
 
恋心を自覚してすぐの頃、前日の課題のノートが返却された。

私は毎回ちゃんと採点のコメントを見るためにノートを開いて見ていた。

その日、その瞬間……バシンっ、とノートが思い切り顔に当たった。

驚いてノートを退かすと、目の前で彼が「あははっ」と腹を抱えて笑っている。

彼は私の癖を知っていたようで、私がノートを開いた瞬間にパシッとノートを前から叩いたようだった。

「マジで相川って真面目すぎ。課題の採点なんて確認しなくても大丈夫だって」

人生で何度も言われてきた真面目という言葉が、全然嫌じゃなかった。

純粋に席替えをしたくないと思った。

彼の後ろの席にもっといたい、と思った。
 
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