夜明けみたいな恋だった
情けないことに、これに類するエピソードが、私にはいくらでもある。
それこそ日が暮れるまでだって話し続けられるほど。
受け取り下手なのはモノに限らなかった。
人の好意全般を受け取ることが苦手なこどもだった。
けれど、こどもというのは成長する生き物なのである。
高2になった私も、いつの間にやらすっかりスマートな振る舞いのできる子女へと──
というのは嘘です、はい。
ごめんなさい。
とはいえ、さすがに好意を完全拒否することはしなくなっていた。
『ド下手がちょい下手くらいまでには改善された』くらいなら言っても許されるだろうか。
どうしてちょい下手なのかというと、好意を受け取るときに居心地の悪さを感じてしまうのはどうにもならなかったから。
依然として、苦手意識は残ったままだった──
「ねえ、今度の午前授業の日、午後から遊びに行かない? 親睦会兼ねて」
それは、新年度早々クラスのムードメーカーの座に躍り出た友梨奈の提案だった。
「行く行く」
「俺部活だからパス」
「あー、私も部活あったかも。もしなかったら参加するってことでもいい?」
「はい、はーい! 行きたーい!」
すぐさま出欠が集まる。
私はドキドキしながら、全神経を耳に集中させていた。
「愛莉もどう?」
(キター!)
声をかけてくれるのを待っていた。
心の中でガッツポーズする。
そのくせに表向きには、えっ私も? みたいな演技をしてしまう。
「あー、うん、たぶんその日は空いてると思う」