夜明けみたいな恋だった
私と流星の勝負がどうなったか、というと──
「うおっ、俺の渾身の歌唱が79点!」
悔しがる流星に、みんなは辛辣だった。
「まあ、嘘は言ってないかな」
「確かに上手くはない……」
「でも、下手ってわけでもないよね?」
「ぶっちゃけ普通ー」
「中途半端な点数で、1番面白くない!」
そんなことを言いながら楽しそうで、私まで笑いが止まらない。
「次は愛莉の番! 何歌う?」
リレー方式で回ってきたリモコン。
何とも感じなかった。
すんなりと受け取ることができた。
イントロが始まると、みんなはタンバリンを鳴らしてくれたり、エールを送ってくれたり。
その中には流星も含まれていた。
(こんなの、勝っても負けても、絶対盛り上がるに決まってる!)
プレッシャーはない。
それどころか、期待でワクワクしていた。
カラオケで、こんな気持ちになれたのは初めてだった。
歌い終わって、点数が表示された瞬間──
「ウソだろ!?」
「ミラクル過ぎる!」
何と、私も79点だったのだ。
流星はバッと立ち上がると、目をランランとさせて、私に握手を求めてきた。
私たちはガシッと手と手を握り合った。
単なる偶然。
それでも、流星のことを好きになるには十分だった──