クソ真面目なアイドルに、幼なじみの一途が重症です。
「おおー!可愛い子みっけ!」
「マジだ!超可愛い!!」
「お姉さーん、かき氷5つくださーい!」

急に騒がしい男集団が、こちらに寄ってきた。
見た目は大学生くらいだろうか…
いかにもチャラそう。

「いらっしゃいませー、味は何にしますか?」

嫌な感じもしたが、笑顔で接客を進めた。

「お姉さんのおすすめで!あとお姉さんの歳を教えてくださーい!」
「祭り終わってからでもいいから、俺らと遊び行かない?」
「ご飯奢るよ〜」

「あはははー、終わってからも片付けがあるので」

めんどくさい絡まれ方。
いつもならムッとして『行きません』とキッパリ断れるのだが、今は接客中で、一応お客さんでもあるし、いつもみたいに回避するのは難しい。

「俺ら全然待つし!いーじゃん、行こ?」
「絶対楽しませるって!」

しつこいな〜と内心イライラしていると、男集団の1人の手が、私の手を取ろうとこちらへ伸びてきた。


その時

「すいません、こいつ俺の彼女なんで」

横でかき氷を削っていた暁の手が、男の人の手を払い除け、そして信じられないような事を口にした。

「…へっ」

「あんまり困らせないでもらっていいですか?」

私の右肩に暁の腕が当たるくらいまでぐっと距離を詰め寄ってきて、にこっと男集団に笑いかける暁。
でも目はまったく笑っておらず、暁から放たれてる圧のような物も感じられて、ちょっと怖い。

「なーーーーんだ彼氏いんじゃん!!」
「しかも何?!イケメンすぎじゃない?!」
「顔整い同士かよ!」
「腹立つ〜〜〜っっ」

またギャーギャーと騒ぎ出す男集団を他所に、暁はさっさとかき氷5つを作り上げていく。

私は暁から発された「彼女」という言葉で、完全に思考が停止して、動けないでいた。

「お待たせしました!ありがとうございます!」

暁からかき氷を受け取った男集団は、騒ぎながら直ぐさま退散していった。
< 10 / 25 >

この作品をシェア

pagetop