クソ真面目なアイドルに、幼なじみの一途が重症です。
その日を境に、私は色々な事を自重しだした。
まずは、放課後に暁と帰る事をやめた。
そして、暁の家に帰らないようにした。
もちろん寂しいけど…
私がもし彼女さんの立場だったら、幼なじみの女が彼氏と一緒に帰って、家に入り浸ってるって分かったら絶対嫌だもん。
今まで暁に彼女ができても、そんな事あまり気にせずにいたけど、自分の気持ちを自覚してしまった事もあって、色々考えさせられてしまったのだ。
それに、今回は暁も本気そうだし…
暁に話すと最初は「なんで?」と不思議そうに聞きかえされたけど、理由を言えば納得してくれた。
「でも何かあったらすぐ言えよ」と優しさのお灸は添えられた。
そんな自重もあって、暁に彼女ができてからというもの、私の心はずっと泥水の中に沈んでいるみたいだった。
学校でたまに見かける暁と彼女さんを見ると、喉の奥の方に何かが引っかかったような感覚になり、息が詰まる。
苦しくて、見ていられない。
私は自然と暁を避けるようになっていった。
そんな時、クラスでも目立っている、チャラついた男子から告白された。
普段なら絶対に即断るタイプだ。
でも、
今の私はただ、暁のことでいっぱいになった頭の中を別の誰かで上書きしてしまいたかった。
だから「……よろしくお願いします」と、その告白を受け入れてしまったのだ。
その日の放課後。
彼氏ができたという噂はすぐに暁の耳にも入ったらしい。
家の前で待ち伏せしていた暁が、眉間に皺を寄せて私を睨みつけている。
明らかに不機嫌。
「お前、あいつと付き合うってマジか?」
「マジだけど。何か問題ある?」
「やめとけ。あいつ、遊んでるって有名だぞ。お前みたいなバカ正直なやつが付き合える相手じゃない」
心配してくれているのは分かる。
でも、そのいつも通りのお兄ちゃんぶった余裕のある態度が、今の私にはどうしようもなく残酷で、腹立たしかった。
「暁には関係ないでしょ!暁には…大事な彼女がいるんだから、私のことなんかほっといたらいいじゃんっ!口出ししないで!」
暁の言葉を振り切り、私は家の中に逃げ込んだ。
玄関の扉を閉めて、そのままその場にふにゃふにゃと力が抜けて座り込む。
それと同時に、ポロポロと涙が零れ落ちてきた。
「暁のバカ…」
あまりにも勝手で当て付けで、惨めなこの感情を、今はどうしようもなく、ただぎゅっと抱える事しかできなかった。
「…本当に、アホかあいつは」
その時玄関扉の向こう側で、逃げた私の背中を見送った暁が、苛立って頭を抱えていたなんて、私は知る由もない。
まずは、放課後に暁と帰る事をやめた。
そして、暁の家に帰らないようにした。
もちろん寂しいけど…
私がもし彼女さんの立場だったら、幼なじみの女が彼氏と一緒に帰って、家に入り浸ってるって分かったら絶対嫌だもん。
今まで暁に彼女ができても、そんな事あまり気にせずにいたけど、自分の気持ちを自覚してしまった事もあって、色々考えさせられてしまったのだ。
それに、今回は暁も本気そうだし…
暁に話すと最初は「なんで?」と不思議そうに聞きかえされたけど、理由を言えば納得してくれた。
「でも何かあったらすぐ言えよ」と優しさのお灸は添えられた。
そんな自重もあって、暁に彼女ができてからというもの、私の心はずっと泥水の中に沈んでいるみたいだった。
学校でたまに見かける暁と彼女さんを見ると、喉の奥の方に何かが引っかかったような感覚になり、息が詰まる。
苦しくて、見ていられない。
私は自然と暁を避けるようになっていった。
そんな時、クラスでも目立っている、チャラついた男子から告白された。
普段なら絶対に即断るタイプだ。
でも、
今の私はただ、暁のことでいっぱいになった頭の中を別の誰かで上書きしてしまいたかった。
だから「……よろしくお願いします」と、その告白を受け入れてしまったのだ。
その日の放課後。
彼氏ができたという噂はすぐに暁の耳にも入ったらしい。
家の前で待ち伏せしていた暁が、眉間に皺を寄せて私を睨みつけている。
明らかに不機嫌。
「お前、あいつと付き合うってマジか?」
「マジだけど。何か問題ある?」
「やめとけ。あいつ、遊んでるって有名だぞ。お前みたいなバカ正直なやつが付き合える相手じゃない」
心配してくれているのは分かる。
でも、そのいつも通りのお兄ちゃんぶった余裕のある態度が、今の私にはどうしようもなく残酷で、腹立たしかった。
「暁には関係ないでしょ!暁には…大事な彼女がいるんだから、私のことなんかほっといたらいいじゃんっ!口出ししないで!」
暁の言葉を振り切り、私は家の中に逃げ込んだ。
玄関の扉を閉めて、そのままその場にふにゃふにゃと力が抜けて座り込む。
それと同時に、ポロポロと涙が零れ落ちてきた。
「暁のバカ…」
あまりにも勝手で当て付けで、惨めなこの感情を、今はどうしようもなく、ただぎゅっと抱える事しかできなかった。
「…本当に、アホかあいつは」
その時玄関扉の向こう側で、逃げた私の背中を見送った暁が、苛立って頭を抱えていたなんて、私は知る由もない。