クソ真面目なアイドルに、幼なじみの一途が重症です。
「……大輝くんと…カラオケに、行ったの」
「……っ」
それだけ聞いて、さらに暁の顔が曇った事を、私は見逃さなかった。
最初は私の好きなアイドルの話をしようとしたこと。
でも、彼にとってはそんなことどうでもよかったこと。
「押し倒されて……嫌だって言ったのに、力が強くて、どいてくれなくて……っ」
「…………」
私の声が震えるたび、暁の眉間にシワがよる。
その度に、部屋の温度が一気に数度下がったような気がした。
「制服のボタン、外されて……それで、私……っ」
「……アイツ、お前にどこまで触った」
底冷えのする、地獄の底から響くような声だった。
私はそんな暁が怖くなってきて、顔を見ることができず、ギュッとシーツを握りしめた。
「……くび、すじ……とか。あと……っ」
「あと?」
「……むりやり、キス、されて……っ。気持ち悪くて……っ、それで、マイクで叩いて、逃げてきた……っ」
その瞬間。
バキバキッ…
暁が手にもっていたペットボトルが、力いっぱい握り潰される音が部屋に響く。
その音に驚いて顔をあげると、そこには見た事ないくらい苛立って眉間に皺を寄せ、歯を食いしばり、怒り狂いそうな暁の顔が見えた。