再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「どうぞ、座って」

柔らかな声に促され、腰を下ろす。

「失礼します」

「早速だけど、履歴書を見せてもらってもいい?」

「はい」

バッグから履歴書を取り出して社長に差し出すと、微笑みながらそれを受け取る。
そのとき、控えめなノックのあとにドアが開いた。
竹之内さんがお盆にお茶をのせて入ってくる。
私と社長の前にそれを置く。

「鳴海くんはいらないでしょ」

そう言って、部屋を出ていった。
社長は履歴書に目を通しながら、ゆっくりと口を開く。

「夏木さん、名前に桜がつくのね。美しいに桜……素敵な名前ね」

思いがけない言葉に、嬉しくなって頬が緩む。

「ありがとうございます」

「私も桜がつくから、なんだか親近感がわくわ。名前で呼んでもいいかしら?」

「はい、もちろんです」

そう答えた瞬間、少しだけ距離が縮んだ気がした。

「よかった。そういえば、この惣菜屋さんのお弁当すごく美味しかったのよ」

履歴書を見ながら、ふっと笑う。

「他の社員にも好評で、また頼もうかって話してたの」

「そう言っていただき、店の者も喜ぶと思います」

店の弁当や惣菜を食べて笑顔になってもらいたいと思って働いていたので、素直に嬉しかった。

「前の職場を辞めた理由は聞いたわ」

その言葉を聞き、隣に座っていたテツを見ると、彼は肩をすくめて口を開く。

「こっちの状況を話しておいた方がいいと思ったからね」

テツなりの気遣いだったんだろう。
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