再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「夏木さん、そんなに緊張しなくても大丈夫だよ。一緒に頑張ろうね」
優しく言われ、少しホッとした。
総務や営業、ウェブデザイナーなど、いろいろな人を紹介してもらった。
名前はなんとなく頭に入ったけど、念のためノートにメモを取る。
それを見た緑さんに『真面目ね』と笑われてしまった。
会議室や資料室、給湯室の使い方なども説明してもらう。
「さて、一通り挨拶も終わったし、お昼にしましょうか」
もうそんな時間だったのか。
腕時計を見ると、十一時半を少し過ぎていた。
「あの、お腹大丈夫ですか?」
妊娠中なのに、ずっと社内を案内してもらっていたので、気になっていた。
「大丈夫よ。心配してくれてありがとう。病気じゃないんだし、少しは歩いた方がいいの」
笑いながら緑さんは答える。
「それに、みんな過保護だから、すぐに椅子に座れって言ってうるさかったでしょ」
確かに、私が社員の人と話しているとき、周りの人は緑さんに何度も椅子に座るように促していた。
あだ名や名前で呼びあう様子を含め、みんな仲がいいんだなと改めて思う。
同時に、私はその中に入っていけるんだろうかという不安も芽生えた。
そんな私の気持ちを察したのか、緑さんは柔らかく笑う。
「そんな不安そうな顔しないで。みんな美桜ちゃんに構いたくてウズウズしてるのよ」
「どういうことですか?」
思わず首を傾げる。