再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
あんなに好き勝手に人の体を弄んでおいて、中途半端な状態で寝落ちするなんて信じられない。
恨めしい気持ちで、眠っているテツを睨みつける。

ムカついて額にデコピンすると、彼は眉間にシワを寄せるだけで、目を開ける気配はなかった。

私の体には行き場のない熱がくすぶっていた。
その原因を作った本人は、何事もなかったかのように眠っている。
なんて腹立たしいんだろう。

――あれ、ちょっと待って。

もしかして、明日起きたときには覚えていないかも知れない。
だったら今日の出来事は、酔った勢いだと思って忘れた方がいい気がする。
犬に噛まれた事故のようなものだ。
そう自分に言い聞かせ、浴室へ向かう。
熱くなった肌を冷ますように、軽くシャワーを浴びた。

そのあとキッチンへ行き、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出す。
コップに注いで一口飲むと、少し気持ちが落ち着いた。

ふと、先ほどの女性のことが脳裏に浮かぶ。
仕事上の付き合いとはいえ、テツのことを名前で呼んでいた。
もしかして、親しい間柄なのかもしれないと思うと、なぜか胸がチクリと痛む。

誰なのか気になるけど『一緒にいた女の人は誰?』なんて、ストレートに聞く勇気はない。
もう考えるのはやめよう。

部屋に戻り、布団にもぐりこむ。
今日は立て続けにいろいろあって、モヤモヤした気持ちが胸に渦巻き、何度も寝返りを打つ。
やがて睡魔が襲ってきたので、それに逆らうことなく、ゆっくりと目を閉じた。
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