再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「俺にとっては美桜の手料理が一番だよ」
微笑みながら言われ、胸がキュンとなる。
嬉しいけど照れくさくて、視線を落とす。
「……テツ、口が上手いね」
「嘘じゃねぇよ。美桜は大変かもしれないけど、俺は毎日こうやって食べれるのはありがたいし、感謝してる」
「大変じゃないし、料理をするのは好きだから……」
真っ直ぐな言葉に胸があたたかくなる。
そもそも感謝しなきゃいけないのは、こっちの方だ。
住む場所も仕事も、テツから与えられている。
だからこそ、少しでも彼のためになにかしたいと思ってしまうのは、自然なことだった。
テツは食べ終えると「ごちそうさま」と言って、食器をシンクに運ぶ。
その流れが、いつの間にか当たり前になっていた。
お皿を洗いながら、リビングのソファに座っているテツを見る。
一瞬、スーパーで会った堂島さんのことを話そうか迷った。
でも、二度と会わないかもしれないので、わざわざ波風を立てるようなことはしたくない。
結局、私は話さないことを選んだ。
「風呂入ってくるわ」
そう言ってテツは立ち上がり、バスルームへ向かう。
静かになった部屋で、堂島さんとの会話を思い出していた。
テツのことを好き……か。
一度、自覚してしまえば、その気持ちを否定することはできない。
曖昧な関係に区切りをつけ、自分の気持ちに素直になろうと頭の片隅で考えていた。