再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「……ヤ、ヤキモチなんて焼いてない」
言い返した声は驚くほど小さかった。
ああ、ダメだなぁ。
どうして強がってしまうんだろう。
本当は気になっているくせに、素直になれない自分が嫌だ。
こんなにめんどくさい女だと思わなかった。
俯いていると、テツが私の頭をクシャリと撫でた。
「さっきの着信はさ、長瀬貴臣ってやつ。美桜も知ってると思うけど、小学校からの俺の友達だ」
久しぶりに聞く名前だった。
長瀬くんは、小学生にしては大人びていた。
ほとんど話したことはないけど、勉強も運動もできて、女子からの人気も高かった。
テツと長瀬くんは同じようなタイプで、当時は人気を二分していた覚えがある。
「こんな時間に電話してくるなんて、どうせろくな用じゃない。留守電にもなにも入ってないから、急ぎじゃないよ」
その言葉を聞き、モヤモヤした気持ちが少しだけ軽くなる。
でも、テツの話はそれだけで終わらなかった。
「で、タクシーで話してたのはこの前、俺が酔って帰ってきたときに一緒にタクシーに乗ってたやつ。そのときに美桜も会ったんだろ」
やっぱり堂島さんだったんだ。
「ごめんな、嫌な思いをさせたよな」
テツが謝ることじゃないのに。
私は首を横に振った。
「アイツ、堂島まゆは高校のときに一週間だけ付き合っていた。いや、付き合っていたっていうのも違うな。半ば、無理矢理だったんだ」
テツはため息をついた。