再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~

「スター&ミスコンで俺と堂島が選ばれてさ。周りから付き合えって騒がれて、その場の空気に流されて仕方なくって感じだったんだ。でも、一週間後には、好きな子がいるから付き合えないって俺から切り出した」

テツの話を聞き、一瞬複雑な気持ちになった。
だけど、流れで付き合ったということにホッとしている自分がいる。

「別れるとき、アイツは納得しなくて参ったよ。話すのも面倒になって、そのままスルーしようとしたけど、貴臣に『中途半端にしてると長引くぞ』って言われて」

テツは苦笑いを浮かべ、小さく息を吐いた。

「それだけは絶対に嫌だったから、『お前のことは一ミリも好きじゃない』ってはっきり言ったら、なにも言ってこなくなった」

お互いに嫌いで別れてないっていうのは、彼女の嘘だったんだ。
それより、『一ミリも好きじゃない』というのはちょっとキツイ一言だな。
自分が言われたら、しばらく立ち直れないだろう。

「だけど、まさか取引先で再会するとは思わなかった。仕事で顔を合わせるようになってからは、昔のことなんてなかったみたいに、何度もアプローチしてくるんだ」

テツは苛立ったように前髪をかき上げる。

「接待だって、本当は堂島は来る必要なんてないのに、上司にうまく取り入って参加してるし。この前も、まさかマンションの部屋までついてくるとは思わなかったよ」

深いため息とともに漏れた言葉から、心底うんざりしているのが感じ取れた。


< 156 / 245 >

この作品をシェア

pagetop