再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「やっぱり、宮脇のチャーシューは絶品だったね」

食べ終わって店を出ると、恵利さんとラーメンの感想を言い合っていた。

「ほんとですね。柔らかくて美味しかったですし、麺が見えないぐらいのチャーシューの量は圧巻でした」

「並んでも食べる価値はあると思うわ。あーもう汗だくだから、早く事務所に戻ってメイク直したい」

恵利さんは苦笑いしながら、ハンカチで首元を軽く押さえる。

「私はラーメン屋に着く前から汗びっしょりでした」

日傘を差していても暑くて、背中が汗でじっとりと濡れていた。

「私ら、わざわざ暑い中歩いてラーメン屋食べて、また歩いて帰るってなんの罰ゲーム受けてるんだろうね」

真顔で言う恵利さんがおかしくて、思わず吹き出してしまった。

「あはは。でも、その分美味しいラーメンが食べれたってことで」

「まあね。こういうのに美桜ちゃんが付き合ってくれて助かるわ。なかなか、夏にラーメン食べに行ってくれる女子社員がいないんだよね」

「そうなんですね。私は全然平気なので、いつでも誘ってください」

そう言うと、恵利さんは嬉しそうに笑う。

こんなふうに気軽に誘ってもらえて嬉しかった。
ドラマとかで見る、同僚と食事に出かけるのが密かな憧れでもあった。
それを実際に経験できていることに喜びを感じる。

額に滲んだ汗を、ハンドタオルで押さえた。
七月半ばの日差しは強烈で、じわじわと体力が奪われていく。
< 172 / 245 >

この作品をシェア

pagetop