再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「それにしてもホントに暑いわね」

「そうですね」

返事をしながら、何気なく道路の反対側へ視線を向けた。
その瞬間、心臓がドクンと跳ねる。

嘘でしょ……。
二車線道路の向こう側の歩道を歩く人に目が留まった。
どうしてこんなところにいるの?
反射的に、日傘を傾けて顔を隠す。

あれは間違いなく、斉藤さんだった。

テツと一緒に暮らすようになって二ヶ月。
その間、彼に遭遇しなかったので大丈夫だと安心しきっていた。

日傘で顔を隠しながら恐る恐る目で追うと、T字路を曲がってその姿は見えなくなった。

気づかれてない、よね。
私は安堵から、ふぅと小さく息を吐いた。

斉藤さんがこの辺りを歩いていたのは、職場が近いからだろうか。
それとも、仕事でたまたま通りかかっただけなのかな。
どちらにしても、この周辺は斉藤さんの行動範囲ということだ。
そう考えた途端、一気に怖くなった。

また遭遇する可能性があるという現実を、突きつけられた気がした。

「どうしたの? 顔色が悪いけど」

恵利さんの声にはっとする。

「……いえ、なんでもないです。昼休みが終わっちゃうので、早く戻りましょう」

無理やり笑顔で話す。

「そうね。遅く帰ると鳴海くんも心配しそうだしね」

「どうしてそこでテ……鳴海くんが出てくるんですか」

不意に名前を出され、斉藤さんのことも忘れ、動揺してしまった。
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