再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「どこで見かけたんだ?」

「お昼に『宮脇丸』に行った帰り道で」

「それで? そいつは美桜に気づいたのか?」

「ううん、反対側の歩道を歩いていたから気づかれてないと思う」

首を横に振って答えた。

とっさに日傘で顔を隠したし、斉藤さんは私の方を見ていなかったはずだ。

「そうか……」

テツは顎に手を当てたまま考え込む。
せっかくこの事務所にも慣れたのに、またおかしなことになったらどうしよう。
不安が胸の奥に広がる。

「大丈夫だ。美桜のことは俺が守るから」

力強い言葉と同時に、ぐっと腕を引かれる。
気づけば、テツに抱きしめられていた。

「多分、向こうが気づいてたら絶対に美桜に接触してきたはずだ。でも、それがないってことはまだバレてない」

「うん」

テツの胸の頬を寄せたまま返事をする。

「だから、美桜は昼の外食は極力控えるだけで、あとは今まで通り過ごせばいい」

落ち着かせるように、私の背中を優しくポンポンと叩く。
不安で強張っていた体から、少しずつ力が抜けていった。
テツの言葉はいつも私を安心させてくれる。

確かに彼の言う通り、私が見かけただけで、まだ気づかれた訳じゃない。


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