再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「あと、メイク直しとヘアセットもさせていただいてもよろしいでしょうか?」

ここで断るという選択肢もなく、私は素直に頷いた。

店員に案内され、そのまま隣にあるヘアメイクサロン『イルミナイス』へ向かう。
鏡の前に座ると、まず崩れたメイクが手際よく整えられていく。

ひとつにまとめていた髪をほどかれ、丁寧にブラッシングされる。
仕上げられた髪はアップヘアになり、鏡の中には、さっきまでの自分とは違う姿が映っていた。

「このあとはロビーでお待ちください。本日はご利用ありがとうございました」

支払いはすでに済んでいるらしい。
私は店員に笑顔で見送られながら、バッグと紙袋を手にロビーへ向かった。

空いているソファに腰を下ろし、テツが来るのを待つ。
何気なく時計を見ると、十九時前だった。
バッグからスマホを取り出し、テツにメッセージを送る。

【お疲れさま。言われたお店に行ったら、ワンピースとパンプスを渡されたんだけど。これ、どういうこと?】

送ってみたものの、しばらく経っても既読にならなかった。

仕方なくスマホを手にしたまま、ガラス張りのエントランスをぼんやり眺める。
ホテルの出入り口には、宿泊やレストラン利用客などが行き交っていた。

スーツ姿の男性や手を繋いだカップル、年配の夫婦など様々だ。
そのとき、外の歩道を歩く、ひときわ目を引く男性が視界に入った。
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