再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
テツだ。

彼のすぐ側を歩いていた二人組の女性が、すれ違いざまに振り返り、テツの後ろ姿を目で追いながらなにか話していた。
こうして改めて見ると、彼は無自覚のまま人の視線を集めてしまう整った容姿をしているんだなと思う。

すると、さっきの女性のひとりがテツを追いかけ、なにか話しかけているのが見えた。
でも、彼は表情を変えることなく、軽く一言だけ返すと、そのままひとりでホテルの中に入ってきた。

ロビーを見回していたテツと目が合った瞬間、ふっと彼の表情が和らぐ。
その笑顔を見て、胸がキュンとする。
テツは笑顔のまま、私の方に向かって歩いてきた。

「美桜、お待たせ」

ソファに腰を下ろしたテツに、ずっと気になっていたことを口にした。

「これどういうこと? 言われたお店に行ったら服を着替えるように言われたんだけど」

「よく似合ってて可愛い」

目を細めて笑うテツの言葉に心臓が跳ねる。
さっきまで抱いていた疑問が、一瞬だけ遠のく。

ここが高級ホテルで、いつもとは違う空間だからだろうか。
スーツ姿のテツがいつもより眩しく見える。

「店の予約が平日だったからさ。どうせなら少し違った雰囲気で食事が出来たらいいかなと思って。気に入ってくれた?」

その言葉を聞いて、ようやく着替えた理由が分かった。
テツの気遣いが嬉しくて、胸の奥が温かくなる。
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