再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
食事を終えてホテルを出た。
車に乗り込むと、エンジンをかけながらテツが何気ない口調で話し始める。
「本当ならスイートルームに泊まろうかと思ったけど、さすがに平日は次の日がいろいろときついから次回泊まろうな」
その言葉に、わずかな引っかかりを覚えた。
スイートルームに泊まるなんて、一般庶民の私には縁のないことだし、考えたこともない。
きっとテツは何度も利用した経験があるのかもしれないと思った瞬間、胸がチクリと痛む。
誰かと泊まったことがあるのかな。
考えたくないけど、一度気になってしまえば、その疑問は消えてくれない。
私はシートベルトを締めながら、意を決して尋ねてみた。
「テツは……ここによく泊まるの?」
「いや。泊ったことは一度もない」
ハンドルを握ったまま、テツは首を横に振る。
「ホントに?」
思わず聞き返すと、テツは呆れたように笑った。
「だからないって。俺がスイートルームに一緒に泊まりたいと思う人は、美桜だけだよ」
その言葉を聞いて、安堵の息を吐く。
「なに? もしかして、美桜ちゃんは嫉妬してたとか?」
信号が赤になり、車が停まると、テツは私の顔を覗き込んできた。