再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「ほら、早く手荒いうがいしてきて」
背中を押しながら言うと、テツは素直に洗面所へ向かう。
やがて、ラフな服に着替えてリビングに戻ってきた。
今日は、付き合って初めて迎えるテツの誕生日だ。
本当はどこかに食事に行こうかと思っていた。
でも、平日はテツの仕事状況が日によって違う。
それなら、家でゆっくり食べた方がいいのかもしれないと思い直した。
結果的に、今日は残業だったので、私の判断は正しかった。
「旨そう」
テーブルの上の料理を見て、テツはキラキラと目を輝かせる。
その反応だけで、頑張って作ってよかったという気持ちになった。
テツが椅子に腰を下ろすと、私はグラスにスパークリングワインを注ぐ。
今日は家で飲むので、アルコール入りだ。
テツにグラスを手渡し、私は向かいの席に座る。
「テツ、誕生日おめでとう」
「ありがとう」
グラスを軽く合わせると、テツはそのままスパークリングワインを飲む。
「まさか、美桜が祝ってくれるなんて思ってなかったから驚いた」
「彼氏の誕生日を祝うのは当たり前でしょ」
照れ隠しで、少し強気に返してしまう。
テツは「そうか」と小さく呟き、嬉しそうに笑った。
その顔を見て、私の頬も自然と緩む。
「でも、これだけの料理を作るのは大変だったろ」
テツが感心したようにテーブルに視線を向ける。