再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「そんなことないよ。ローストビーフは昨日仕込んでおいたし、あとはすぐにできたから」
サラッと言ったけど、本当はずっと時間を気にしながら作っていた。
料理を作るのは好きだから、手際はいい方だと思う。
だから、段取りよく、短い時間でどうにか作り終えることができた。
なにより、今日は絶対に失敗したくなかったし。
私が作った料理をテツは全部綺麗に食べてくれた。
空になったお皿を見ていると、頑張って準備したかいがあったと思える。
でも、ひとつだけ失敗してしまったことがあった。
料理のことで頭がいっぱいで、ケーキを買い忘れてしまったんだ。
そのことを謝ると『子どもじゃないし、ケーキがなくても全然大丈夫』と気にした様子もなく笑っていた。
食後の片づけを終え、先に風呂に入る。
髪まで綺麗に乾かしてからリビングへ行くと、テツはソファに座ってくつろいでいた。
「お先でした」
声をかけると、テツは私を見上げて表情を緩める。
「おー。じゃあ、俺も入ってくるわ。先に寝室に行ってて」
そう言って立ち上がると、バスルームに向かった。
私は部屋に戻り、ラッピングされた小さな箱を手に取る。
――さっき渡せばよかったな。
ご飯の準備とかでバタバタしていて、タイミングを逃してしまった。
箱を見つめながら小さく息を吐く。