再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「でも……」
「でもじゃねぇよ。うちの親が早く美桜を連れてこいってうるさいぐらいなんだぞ。特にお袋なんて、早く嫁に来てほしいとか言ってるし」
「よ、嫁?」
思わず声が裏返る。
「そうだよ。うちの親は美桜のことお気に入りだから、心配することなんてなにもない」
そうは言われても、気持ちはすぐには追い付かない。
「でも、大規模なパーティーでしょ。不安しかないんだけど」
「大丈夫だよ。今回は親に会ってもらうだけだから、美桜は途中参加でいいよ。少しの間でいいから、俺の隣にいてくれるだけで十分だ」
落ち着いた声でそう言った。
「俺、まだ独身だろ。おせっかいな連中が、縁談話を持ちかけてくるんだよ。だから、美桜が隣にいてくれるだけで、そういう面倒な話から逃げられるんだ」
テツの言葉にひかっかりを覚え、胸がモヤモヤする。
「それって、女避けというか、面倒ごと避けのために私を利用するってこと?」
自分でも驚くぐらい、とげのある声が出た。
「おい、言い方! まあ、否定はできないけど……」
テツは少しバツが悪そうに視線をそらしながら髪をかく。
素直すぎる返事にムッとした。
「でも、美桜は婚約者だから俺は隠すつもりはない」
真面目な声で話すテツの言葉に、肩がピクリと揺れる。
婚約者という響きが慣れなくてむず痒い。