再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「どう? 着てもらえそう?」
少し不安そうな表情で、私の反応を伺うようにテツが尋ねてきた。
きっと、自分の母親が選んだドレスだから、私が気に入るか心配なんだろう。
「うん。すごく素敵なドレスで、着てみたいと思うよ。でも、本当にいいのかな」
テツはほっとしたように頬を緩めた。
「いいに決まってるだろ。お袋は、自分が見立てた服を美桜に着てもらいたいんだって。色はどうしても紫って譲らなかったけど」
「テツママは紫が好きなの?」
「よく分かんねぇけど、最近ハマってるグループがあるみたいで、中でも担当カラーが紫の人がお気に入りなんだって。自分は紫は似合わないから、美桜に着てほしいって」
「そうなんだ」
それはいわゆる推し活、というものなんだろうか。
「美桜に着てもらうんだって、張り切って選んでたから、着てくれたらお袋も喜ぶと思う。うちは男兄弟しかいないから、女の子の服を選ぶのが楽しかったって」
その言葉を聞き、歓迎してもらえている気がして、胸がじんわりと温かくなる。
「ありがとう。今度会ったとき、テツママにもちゃんとお礼を言うね」
素敵なドレスに見合うような女性になれたらいいんだけど。
それと同時に、テツの隣に立っても恥ずかしくないように、立ち居振る舞いにも気をつけようと、ぼんやり考えていた。