再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
彼は今、営業先に出かけている。
帰社時間はホワイトボードに書いてあったはずだけど、はっきりとは覚えていない。
それより、堂島さんがわざわざ私に話しかけてくるとは思わなかった。
あのとき『二度と会うことはない』とか言ってなかったっけ。
面倒な人に絡まれてしまったなと思いながら、小さく息を吐く。
すると、堂島さんは真っ直ぐに私を見据えたまま、口を開いた。
「哲平はあなたと付き合ってるって言ってたけど、本当なの?」
テツ、私とのことを堂島さんに話したんだ……。
初めて彼女と会ったときとは、もう状況が違う。
私は堂島さんの視線から逃げることなく、静かに頷いた。
「本当です。私は彼と付き合ってます」
その言葉を口にした瞬間、堂島さんの顔が歪んだ。
「邪魔しないでって言ったでしょ。なんなの? 私に嫌がらせしてるの?」
苛立ちと怒りを含んだ声で、責め立てるように言う。
どうしてそんな発想になるのか、理解できなかった。
「ちょっと、なにを言ってるのか分からないんですけど。私たちはお互いに同じ気持ちだったから、付き合っただけです」
「同じ気持ちですって? あなた、本当に哲平のことが好きなの?」
「どういうことですか?」
思いもよらない問いかけに、首を傾げる。
「哲平はイケメンだし、御曹司だから付き合ったんでしょ」
「は?」
あまりにも見当違いの言葉に、思わず眉間にしわが寄った。