再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~

大人になるにつれて、それなりに出会いも増えた。
その中には、眉目秀麗な人もいたけれど、心が動かされることは一度もなかった。
単に、私が恋愛にあまり興味がなかったのが原因かもしれないけど。

そんなとき、テツと再会した。
久しぶりに見た彼は見違えるほど大人になっていた。

でも、食べ物の好き嫌いや、子どもみたいな無邪気な笑顔は変わっていない。
少し意地悪なところはあるけど、優しくて真面目な人。
誰よりも私のことを考えてくれ、困っていたらすぐに手を差し伸べてくれてる。
そんな彼と一緒にいる時間が増えるたび、私はまた少しずつテツに惹かれていった。

やっぱり、私の心を動かすのは彼しかいない。
そう改めて思ったけど、テツの本当のよさは私だけが知っていればいい。
堂島さんになんて、教えるつもりはなかった。

「なに言ってるの? 綺麗ごとを言わないで。容姿と肩書は、付き合う上で一番大事なことでしょ」

堂島さんは鼻で笑いながら言い放つ。

「あなた、哲平が不細工で無一文でも付き合えるっていうの?」

無一文って、ずいぶん極端な例えだな。

堂島さんは、やっぱりテツの中身じゃなく、容姿と肩書きしか興味ないんだ。
私は彼女を真っ直ぐに見据えた。

「付き合えますよ。あなたには綺麗ごとのように聞こえるかもしれないけど、私はテツだから好きになったんです。お金や肩書きじゃなく」

迷いなく告げる。
< 208 / 245 >

この作品をシェア

pagetop