再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「それに、もしテツが無一文になっても、私も働いてます。二人で支え合っていけばいいことでしょ」
テツが御曹司だと知ったのは、つい最近のことだ。
私が彼を好きになったのはそれを知る前だけど、堂島さんに話したところできっと信じないだろう。
「働くって言ってもたかが知れてるでしょ。生活していく上でお金は大事なのよ」
その言葉に、私は改めて堂島さんを見る。
彼女の腕には高級ブランドの時計が光っていた。
バッグや靴も、ひと目で有名ブランドと分かるものばかりだ。
そりゃ、お金がいくらあっても足りないでしょ、と喉まで出かかった言葉をのみ込んだ。
「確かにお金は大事だと思います。だけど、あなたみたいにブランド品ばかり買わなければ、普通に生活できますよ」
堂島さんの言葉にムカついて、つい嫌味っぽい言い方をしてしまった。
完全に売り言葉に買い言葉だけど、あそこまで言われて、黙っていることができなかった。
彼女の生き方を否定したいわけじゃないし、なににお金をかけるかは人それそれだ。
ただ、私とは根本的に価値観が違うんだろう。
私は両親が離婚していて、お金には苦労した経験がある。
欲しいものを我慢するのは当たり前だった。
友達が持っていた流行りの服や小物を見るたびに、羨ましいと思ったこともある。
それでも、自分が不幸だと思うことは一度もなかった。