再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
誰の声かなんて、振り返らなくても分かる。

「堂島、こんなところまで来てどういうつもりだ。俺に用があるならまだしも、美桜に接触するんじゃねぇよ」

テツの声には怒りが滲んでいた。

出先から戻ってきたみたいだけど、どこから聞いていたんだろう。
ふと、そんな思いが頭をよぎった。

「て、哲平……。だって、電話しても出てくれないから、直接会いに来るしかないじゃない」

「いい加減にしてくれ」

テツは冷たい声で言い放つ。

「会社同士は関わりがあるけど、堂島と俺は無関係だ」

そう言うと、テツは私を庇うように一歩前に出て、堂島さんと対峙する。

「はっきり言うけど、高校のときに堂島と付き合ったのは俺の本意じゃない。全校生徒の前で告白を断れば、お前が恥をかくと思ったからだ」

テツの言葉に、堂島さんの顔がみるみるうちに強張っていく。

「俺は最初から、堂島に対しての気持ちは一ミリもない」

「酷い……」

堂島さんはショックを受けたような表情を浮かべている。
自業自得な気もするけど……。

「酷いってどの口が言うんだよ。堂島も俺の顔や肩書きしか興味がないんだろ。俺自身はどうでもいいって言っているようなもんだぞ。それも酷いだろ」

「それは……」

「不細工で無一文な男とは付き合えないって、ドン引きなんだけど」

テツの冷たい視線が堂島さんに突き刺さる。

< 211 / 245 >

この作品をシェア

pagetop