再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~

どういう言葉が返ってくるのか分からず、返事を待つ数秒がやけに長く感じた。

「そうか。美桜さん、今日はわざわざ来てくれてありがとう。また後日、ゆっくり話がしたいと思うんだがいいかな」

「はい、ぜひお願いします」

すぐに答えると、テツの父親は穏やかに微笑んだ。
その表情を見て、ようやく張り詰めていたものがほどけていく。

「親父たちには美桜を紹介したけど、前に話した通り、まだ婚約者として大々的に発表するつもりはないんだ」

テツは真面目な表情で話を続ける。

「さっきの挨拶回りで結婚のことを聞かれたから、婚約者がいるとだけ伝えたんだ。正式な発表は、俺が海鳴に戻ってからにしたいと思ってるんだけど、それでもいい?」

「ああ、それは構わない。哲平の好きなようにやりなさい」

彼の父親は落ち着いた様子で頷いた。

「わしも哲平のことを聞かれたら、婚約者がいるとだけ伝えておこう」

「そうしてもらえると助かる。今から発表して美桜に余計なプレッシャーをかけたくないんだ」

いきなり表舞台に立たせるということをせず、私の気持ちを考えてくれている。
その気遣いが、どうしようもなく嬉しかった。

改めて思うけど、テツは『海鳴建設』の後継者だ。
その隣に立つということは、ただ恋人として一緒にいるだけじゃない。
将来、社長となる彼を支えていく覚悟も必要になる。

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